オープンソースは夢の世界?

Ruby の開発者である Matz ことまつもとゆきひろさんの日記

http://www.rubyist.net/~matz/20040512.html#p01

を読んで知ったのだが、NHK のページで子供向けにオープンソースを説明している。

http://www.nhk.or.jp/netabra/lesson/net26/0221_1.html

この説明を読んで、技術だとか情報を含め自分が持っている全てのものという意味を込めた「ソース」を惜しみなく他人に与える精神を身につけた子供達ばかりが大人になったなら、どんなにか平和な世界になるのだろう、なんて夢想してしまった。

でもそんな夢のような世界は実際に一部に存在している。

オープンソースの考え方を知るためのバイブルとも言える伽藍とバザールを読んだとき、こんな夢のような話が現実に起こっていることを知り興奮したものだ。そんな世界を経験してみようと思って POPFile を日本語化してみたが、実際に伽藍とバザールに書かれていたようなことが日々起こっていて驚きの連続であるとともに楽しい。

http://www.100shiki.com の管理人である田口さんと会う機会があったのだが、「ネットで情報発信していて自分が『良い人』になった」と言っていたのが印象的だ。自分の持っているものを Give し続ける人はどんどん『良い人』になっていくのだろう。実際田口さんはとっても『良い人』だった。

オープンソースの精神はそんな『良い人』をどんどん生産していく力がある。POPFile 日本語化プロジェクトで今では僕よりも活躍している id:amatubu さんもまだ会ったことはないんだけれど、フォーラムでの発言や日記の文章にはその『良い人』ぶりがにじみでている。僕が勝手にネット上の師と仰ぐ結城浩さん(http://www.hyuki.com/diary/) も『良い人』に違いないと確信している。

父方の祖母に「人に対して親切にし続ければ、それは必ずまわりまわって自分のところに戻ってくる」ということを小さかった頃に言われた。自分に返ってくるリターンのために与えるという考え方は打算的なのかもしれない。でも実際にリターンを全く期待せずに Give するなんてことができる人はどれくらいいるのだろうか。打算的ではあっても結果的に Give し続けたい。そういう人ばかりになれば、少しでも世の中は良い方向にすすむんじゃないだろうか。